いつか可愛いおばあちゃんになれたら。

35歳からおばあちゃんになる日まで、日々の想いをつづる日記。

こうなりたい、の最終形態。

忘れられない老夫婦。

二十代の頃、病院で働いていた。

接するのはほとんど高齢の患者さん。

 

まだ二十と数年しか生きてなかった私には、

患者さんたちの姿がまるで

人間性の形態形態のように思えた。

そう思うくらい『人間の人格』というものが強烈に映った。

 

私の処置に、

「ありがとう」と両手を合わせてくれたおばあさん。

「この病院に入院してあなたに会えてよかった」と言ってくれたおじいさん。

 

もちろん優しい人だけじゃない。

しばらくトラウマのような気持ちが残る人もいた。

 

その中でも記憶に残っている高齢の夫婦がいる。

 

そのご夫婦は佇まいだけで温かい。

 

少し足が悪くなった旦那さんを奥様がそっと支えているのだが、

その姿がとてもやさしい。

 

寄り添うようにゆっくりと歩く。

 

柔和な表情はお二人ともそっくりで、

 

そこにいる職員みんながほっこりしてしまう。

 

二人を纏うすべてが温かくて、

 

可愛らしさもあって、

 

私は

こんな穏やかな老夫婦になりたい、と思った。