社会人になってからほとんど友達ができなかった。
職場の同期と飲んだりはしていたけど
そこまで親しくならなくていいや、と思っていた。
その場だけの友人。(友人<友達 友人の方があんまり親しくない感じの表現?)
転職などのライフステージの変化があれば
あっさり縁が無くなるような関係。
それでいいと思っていた。
私は誰かにとって「通り過ぎる人」でしかないだろう、と。
一人が好きで、友達との予定もあまり入れたくない。
行きたい場所には一人で行く。
友達がいなくても案外いける。
でも、東京で心許せる友達がいたらと願っている自分もいた。
友達に求めるハードル(気が合うか等)
も上がってしまっていたのかもしれない。
そんな中、迎えた娘の卒園式。
何かと絡みはあったものの卒園したら他のお母さん達とは
疎遠になるだろうと考えていた。
この人の雰囲気好きだなぁと思うお母さんが一人いた。
その方とは在園中ほとんど話したことは無かった。
子供も女の子と男の子でイベントでの共通点も無かった。
卒園式のリハーサルに、私とそのお母さんが
保護者の中で二人だけ参加する機会があった。
そこで初めてゆっくり話すことができた。
謝辞に対する緊張もその方の言葉で楽になった。
卒園式の前日には(日曜だったのに)激励の言葉をいただいた。
卒園式の後にその方が私にプレゼントを用意してくださっていた。
一緒に入っていた小さな手紙には
「これからもお友達でいてくれたら嬉しい」との言葉があった。
フワッとはじまってスーッと消えていくような
交友関係ばかりの私には衝撃で
すごく嬉しくて
大人になってもこうやって言葉で友達関係を築くことの
素敵さと大事さを感じた。
友達なんて必要ないやと拗ねていた自分が
溶けていくような感覚をおぼえた出来事だった。