いつか可愛いおばあちゃんになれたら。

35歳からおばあちゃんになる日まで、日々の想いをつづる日記。

お墓参りの不思議な話。

まだ大学生だった頃。お盆の時期に帰省した。

着いた翌日の早朝にお墓参りに行くよ、と母に言われていた。

実家までは長旅なのでその朝は疲れていて起きられなかった。

お墓は敷地内の少し離れたところにあるのでいつでも行けるし、

布団の中から「後で一人で行く」と母に伝えた。

 

1時間くらいで起きたけれど、お墓参りに乗り気がしない。

先に犬の散歩に行きたい。

私は実家の当時飼っていたウェルシュコーギーとの散歩が大好きだった。

コーギーとの散歩は必ず家を出て、左手の坂を駆け上がって行くのが通例だった。

いつもならコーギーはワクワクした顔で、坂まで一緒に猛ダッシュする。

 

リードをつけて歩こうとしたらコーギーが怪訝な顔をしている。

悲しいともとれる顔でじっと見ている。

 

そうしてるうちに起床時から少しあった頭痛が、だんだんひどくなってきた。

寝過ぎたかなと思っていると、コーギーが強い力でリードを引っ張り出した。

 

家を出て右手へ。

コーギーにとっては行ったことのないコースを進む。

そのまま私を引っ張り続ける。

目的地に着いたようで、そこでちょんとお座りした。

 

そこは、我が家のお墓の前だった。

そういうことか…と思って手を合わせる。

お墓参りを後回しにしてごめんなさい、と伝えた。

 

そうして目を開けたら、

お墓に着く直前まで激しい痛みだった頭痛がスッキリ消えていた。

 

犬は満足そうな顔で、いつものコースへ進んで行った。